イベント報告2021 | 兵庫県ユニセフ協会 | 公益財団法人日本ユニセフ協会 協定地域組織

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イベント報告

実施しましたイベントのハイライトを載せています。どうぞご覧ください。

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イベント報告(2021年)


写真展
東日本大震災から10年

災害列島・日本
49人の写真家が伝える”地球異変”の記録

日 時 2021年11月22日(月)~12月7日(火)
会 場 コープこうべ生活文化センター1階 展示室、ロビー
主 催 兵庫県ユニセフ協会

東日本大震災から10年、この間、日本列島では地震だけではなく各地で多くの災害が頻発してきました。 熊本では震度7を最大とした群発地震が発生、九州や中国地方での集中豪雨、北海道では地震による地滑りと大停電が発生。さらには異常気象による巨大台風や土砂崩れ、洪水、河川の決壊、氾濫、浸水。冬季には北海道から北陸地方にかけて、異常な寒波や豪雪が襲いました。 そして地球規模で蔓延するコロナウイルスの感染など、日本列島はいま“複合災害の真っただ中です。
写真展では、日本を代表する49人の写真家たちが撮った東日本大震災以降の日本の災害のリアルな姿を伝える写真175枚を展示しました。
また、被災地でのユニセフの活動「子どもにやさしい空間」についても紹介しました。




国際理解講座④

いま、生きていく力 いのちがまん中

日 時 2021年11月7日(日)
会 場 コープこうべ協同学苑(三木市)、オンライン
講 師 大津司郎さん(ジャーナリスト)
    甲斐信好さん(拓殖大学副学長)
    早川千晶さん(マゴソスクール主宰)
参加者 106人
主 催 兵庫県ユニセフ協会
※本講座は、(公財)兵庫県国際交流協会民間国際交流事業から助成を受けて開催しました。

講座の前半は3人の講師の方にそれぞれの視点でアフリカを語っていただき、後半はデスカッション、会場やチャットの質問などにお答えいただきました。全体の司会は高校生が担当しました。

早川さんは、教育は真っ暗闇の中の子どもたちに生きる希望を与えることと、家族を亡くし拠り所のない子どもたちにチャンスを与え続けているマゴソスクールを運営しています。
巣立ったOB OG クラブの子どもたちが、「今度は自分が病で苦しむ人のために医者になりたい、学校の先生になりたい、弁護士になりたい」と夢を語り始めています。そんな彼らを応援するために、新たに「マゴソユーズセンター」創りました。
アフリカのスラムの今を伝え、どうしたらこの世界でもっといい明日をつくることができるのか、スラムの中で若者たちが世界に向けて発信していく場です。

大津さんはアフリカで見たその一瞬一瞬をカメラに収め、スナップショットの写真を鉛筆画で描いています。スクリーンに映し出された白と黒で表現された鉛筆画からは、大津さんがリアルに見てきた現実、歴史に翻弄されたアフリカがよみがえり、社会的背景、人々の力強さや愛情、希望などの思いが浮びあがってきます。絵の向こうの人々の眼差しは見る人を圧倒します。
「事実は小説より奇なり」といいますが、写真や小説では表現しきれないリアル感、奥行き全体の空気感が伝わるといいます。
紙を巻いて作ったサッカーボールを蹴る少年の絵からは、絵には描かれていない母親の深い愛情を感じました。


甲斐さんは、「日本の教育現場から」というテーマで話されました。
甲斐さんは、大津さんのコーディネートで、長年にわたりゼミの学生たちとアフリカ・スタディツアー行っています。
アフリカには資源とか国際政治上の問題とか、多くの問題がありますが、学生たちはアフリカの色んな問題に触れる一方、そこで生活する人の生きる力に素晴らしい光を感じるようです。
いつもチャラチャラした装いの学生は、時には5キロの道のりを水運びをする子どもを見て「生きるって大変だね」といいました。
第一志望校に入れなかった学生が「これまでこの大学へ来たことを不幸せと思っていたが、アフリカから帰って、私あほじゃないかしら」といい、今はアフリカで井戸を掘る仕事をしています。
内閣府の調査では、日本では70%の高校生が自分はダメだと思っているようです。私のゼミ生にもそんな子がたくさんいますが、この子たちをどうやって力づけていくかが私の大きな仕事です。
アフリカは世界で一番脆弱な場所ですが、生きる力が詰まっている場所でもあります。 若い人には、ぜひアフリカも含めて、いろんなことに関心をもって伝えていって繋がっていただきたいと思います。



国際理解講座③

太鼓&歌&トーク
すべてのいのちは たからもの

日 時 2021年11月6日(土)
会 場 兵庫県尼崎の森中央緑地大芝生広場
出 演 早川千晶さん(マゴソスクール主宰)
    大西匡哉さん(ケニア伝統太鼓ンゴマ奏者)
主 催 兵庫県ユニセフ協会
後 援 (公財)兵庫県園芸・公園協会
協 力 富士運輸株式会社
  ※本講座は、(公財)兵庫県国際交流協会民間国際交流事業から助成を受けて開催しました。

秋晴れの下、壁面をカンガ(ケニアの女性たちに愛されている布)で飾ったトラックステージで早川千晶さん、大西匡哉さんの「太鼓&歌&トーク」ライブが行われました。アフリカの太鼓と美しい歌声が広大な芝生広場に響きました。

早川さんはケニア在住33年、マゴソスクールを運営し、食べるものや安心して寝る場所のない人たち、どこにも居場所のない人たちに寄り添い、家族のように暮らしています。 コロナ禍でマゴソスクールの給食を拡大し近所の人たちにも食事を提供していること、活動が日本の皆さんに支えていただいていることへのお礼、マゴソスクールの卒業生たちが成長し今では支援する立場で頑張ってくれていることなどを話されました。

大西匡哉さんからは、演奏する太鼓「ンゴマ」にまつわる話やクイズ、また歌に込められた色々なメッセージを解説していただきました。スワヒリ語や日本語で歌を聞き、ダンスをし、アフリカの雄大な自然やアフリカの風を肌に感じ、命の輝きに生きる勇気をもらった素晴らしい時間でした。

コロナ禍のため、参加者はソーシャルディスタンスを保ちマスクをつけてのライブでしたが、大芝生広場ではのびのびと体を動かし、家族連れで遊びに来ていた子どもたちも一緒になってダンスを踊り、大いに盛り上がった気持ちいい一日になりました。



ユニセフセミナー

カルタで学ぼうジェンダーギャップ

日 時 2021年10月23日(土)
会 場 西宮市大学交流センター
講 師 末吉洋文さん(帝塚山大学法学部教授)、ゼミ生
参加者 19人
主 催 兵庫県ユニセフ協会

帝塚山大学の末吉ゼミの学生さんが、若い人たちにジェンダー問題へ関心を高めてほしいとの思いから考案した「ジェンダーギャップを考えるカルタ(GGKK)」で遊びながら、説明を聞きながら、ジェンダー問題について学びました。

男女の違いには、生まれついての体のつくりの違いとは別に、「男は乱暴」「看護師は女の仕事」など、社会によって作り上げられた「男性像」、「女性像」があります。このような男女別に決めつけられたイメージや役割をジェンダーといいます。また、社会にはLGBTQなど多様な性があることも考えていく必要があります。

男女平等を実現する上で注目されている2021年の「ジェンダーギャップ指数(世界経済フォーラム発表)」は 156 カ国中120位でした。この指数は「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野で評価され、日本での国会議員や管理職などの女性進出の割合の低さが順位を押し下げ、ジェンダー平等に向けた努力が遅れていることを示していました。
そして、SDGs 5番では「平等を実現し、すべての女性と女の子の能力を伸ばし可能性を広げよう」と掲げていることから、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「全ての人に教育を」などの目標にも大きな影響を及ぼすこともわかりました。

カルタには、学生ならではの視点で、ジェンダーに関する時事性のある話題から普遍的な問題まで幅広く取り上られていました。
読み手の言葉を聞き、前のめりになりながら絵札を取り、絵札の裏に書かれた解説を読み、昔を振り返ったり、世情をあれこれ評論したりとグループで話し合いました。
最後に参加者が感じているジェンダーギャップを字札に書き発表して、楽しく終えました。



豊かな海と未来を考える2021

~ 大蔵海岸クリーン作戦 ~

日 時 2021年10月17日(日)
場 所 大蔵海岸(明石市)
参加者 小・中学生の子どもたちとその家族を中心に 約30人
主 催 コープこうべ第6地区本部
共 催 兵庫県ユニセフ協会、兵庫県漁業協同組合
協 力 海と空の約束プロジェクト、ひょうご豊かな海発信プロジェクト
※このイベントは「ひょうご子ども・若者応援団」からの助成をうけて実施しました。

大蔵海岸の生きもの観察と清掃とを通して、地球の未来を考えてみました。
まず、「海と空の約束プロジェクト」代表の西谷寛さんから、生き物の探し方、調べ方などの説明を受けたのち、海辺の生きものを探しました。
参加者の多くは家族連れで、幼児も参加していましたが、ウニやヒトデや稚魚、貝など多種多様な生きものに触れ、驚きとともに面白さや不思議を感じながら夢中になって採集していました。 その後、それぞれにどんな生き物を発見し採集したかなどを発表、生き物は海の戻し、プラスチックごみのクリーン作戦を行いました。ここではプラごみの多さに痛々しい現状を知りました。
もっと環境問題に目を向け、美しい地球を守って、生き物たちの命を大切にしていこうと思う一日になりました。



ふれあいの祭典

ふれあいフェスティバル in 神戸

日 時 2021年10月16日(土)、17日(日)
会 場 メリケンパーク
主 催 ふれあいフェスティバルin神戸実行委員会

兵庫県ユニセフ協会は、10月16日(土)、17日(日)の両日メリケンパークで開催された「ふれあいの祭典」に2年ぶりに出展しました。

昨年はコロナ禍にあり、パフォーマンスなどのライブ配信のみとなりましたが、今年は、感染症対策を徹底して行われました。
ユニセフのブースでは、「コロナと闘う世界の子どもたち」をテーマとしたパネルの展示、SDGs紹介ボードを展示し、厳しい状況に置かれた子どもたちの現状を紹介しました。
両日ともあいにく風が強くパネルがあおられるなどのハプニングもありましたが、興味深くパネルを見る方質問をする方もおられ関心の深さがうかがえました。 また、小さいお子さんへのプレゼント用に準備しましたボランティア特製折り紙(花火・万華鏡・コマ他)は大好評でした。



平和学習会

平和をつくるをカタチに②

テーマ 被爆者は私たちに何を訴えているのか~「平和」とは何かを立ち止まって考える
日 時 2021年9月11日(土)
会 場 オンライン開催
講演者 林田光弘さん(長崎大学核兵器廃絶研究センター特任研究員)
参加者 42人
主 催 兵庫県ユニセフ協会

林田さんをお迎えして、戦争、原爆、平和について考える時間を持ちました。

林田さんは、被爆者の方がいなくなる時代が来つつある今、原爆によって将来とか夢とか希望とかが奪われたという被爆者の話を聞き、焼け野原になる前の人々の暮らしや表情などがよくわかる写真とともに、何故戦争が始まりどのように終戦を迎えたかという文脈をきちんと後世に残すことは必要だと話します。

山川剛さんは、著書「希望の平和学」の中で、「長崎にやってくる修学旅行生は、長崎といえば原爆。それはそうだが原爆は平時なある日ある時突然空から降ってくるものではない。 その時日本は戦争をしていたという当たり前のことがともすれば忘れられていることに脅威を感じる。」と書いています。

「戦争の記憶」という観点から日本とドイツを比較してみると、日本では終戦記念と広島、長崎というのが8月の風物詩的メモリアルデーとして新聞の一面を飾る日です。
一方でドイツはアウシュビッツが連合軍によって解放された日、すなわち自分たちの加害行為が終わった日と、ナチス内閣が発足した日をメモリアルデーとして定めています。つまり加害の記憶と戦争が始まった日がメモリアルデーです。
日本は、戦争を繰り返さないために、何故戦争に突入したか原因を振り返るという視点が乏しいことを意識しないといけないと思います。 被爆者の方々は、戦争を繰り返さない戦争をしないために、何をすればよいのか、何を学べばよいのかに対する一般の方々の関心が低いことを、非常に危惧されています。

被爆者の反核運動は、単に核兵器をなくしていこうではなく、一人一人の「人間の尊厳を守る」ことを訴えて行動してきたのではないでしょうか。
被爆者の活動は平和反核活動だけじゃなく、人間らしく生きていることを守る事が根底にあり、難民問題など他のあらゆる活動に広がってきています。
最後に、若者が展開する長崎大学 Peace Caravan隊の活動、議員ウォッチの活動を紹介されました。

<林田光弘さん プロフィール>
1992年長崎生まれの被爆3世。長崎大学核兵器廃絶研究センター特任研究員。明治学院大学大学院卒。 2016-2020「ヒバクシャ国際署名」事務局キャンペーンリーダー。高校2年生の時、核兵器廃絶を求める署名を国連に届ける「高校生平和大使」を務める。 2015年、安保法制反対を訴える学生団体「SEALDs(シールズ:自由と民主主義のための学生緊急行動)」の創設に関わる。 現在は、2021年7月から長崎大学核兵器廃絶研究センター特任研究員として、被爆者の証言を活用したデジタル教材づくりに取り組んでいる。



国際理解講座②

「世界を変える」という仕事 -現場から学ぶ、教育支援の可能性

日 時 2021年8月29日(土)
会 場 オンライン
講 師 延岡由規さん(特定非営利活動法人e-Education カントリーマネージャー )
参加者 72人
主 催 兵庫県ユニセフ協会
※本講座は、(公財)兵庫県国際交流協会民間国際交流事業から助成を受けて開催しました。

「何をしている人と聞かれると、世界平和を本気で実現しようとする人」と、自己紹介する延岡さんに、これまでの歩み、これから挑戦などをお聞きしました。

サッカー少年だった延岡さんは、手縫いのサッカーボールの裏には、子どもたちの強制労働があることを知り、世界の問題に関心を抱きました。 その後、テラ・ルネッサンスでの活動に参加し、ウガンダでの元子ども兵への社会復帰プロジェクト、カンボジアでの村落開発支援プロジェクトに従事し、身体的にも精神的にも大きな傷を負った元子ども兵たちが笑顔を、カンボジアの地雷被害者が自信を取り戻したことを体験しました。

これらの体験を通して、全ての人が人生を主体的に生きるために重要なのは教育、教育が持つ無限の可能性にチャレンジしようとe-Educationに就職しました。 バングラデシュで、農村部の高校生たちに対して、映像教材および現地の大学生チューターによるオンライン家庭教師サービスを提供することで、大学進学をサポートしました。そして、そのサポートを受けた学生のひとりが、ロヒンギャ難民危機に支援の手を挙げるまでになりました。

今考えていることは、自分でできることは限られており、現地にいる人が主人公になって輝けるようになれるために、自身は裏方に徹することです。また、途上国で生まれた課題解決法を日本の課題解決に活用できないか、各地域の強みを他の地域のために使えないか等々を真剣に考えています。



<延岡 由規(のぶおか ゆうき) プロフィール>
93年生まれ、兵庫県出身。小学3年生時にサッカーボールの裏側に衝撃を受け、世界の問題に関心を抱く。認定NPO法人テラ・ルネッサンス カンボジア事業、教育関係のNPO法人を経て、2020年4月よりe-Educationに参画。



平和学習会

平和をつくるをカタチに①

テーマ ヤマトンチュとして沖縄に向き合う
日 時 2021年8月7日(土)
会 場 神戸学生青年センター本館ホール、オンライン
講演者 西尾慧吾さん(米イェール大学在籍。2017年4月より沖縄戦遺骨収容国吉勇応援会・学生共同代表)
    高尾具成さん(毎日新聞社専門記者)
参加者 41人
主 催 兵庫県ユニセフ協会

西尾さんと高尾さんをお迎えし、平和について考える時間を持ちました。西尾さんが、沖縄で受けた衝撃や感じた疑問を素直に周りに投げかけ、スマートに活動を展開していく姿を見ることができました。とても大切なことを教えていただきました。

今から7年前の高校2年の時、西尾さんは社会で何かしたいと考え兵庫県ユニセフ協会を訪れました。修学旅行で初めて訪れた沖縄では、恩師の紹介で約60年間沖縄戦の遺骨や遺品の収集を続ける国吉勇さんと出会いました。
沖縄戦は住民を巻き込んだ地上戦でした。戦争が激しくなり、住民は自然の鍾乳洞や防空壕に逃れて生活していましたが、そこに軍人が逃げ込みアメリカ軍と戦ったため住民の犠牲は甚大でした。
保存されている遺品や遺骨を見て、今まで沖縄をリゾート地としか捉えていなかった西尾さんは大きな衝撃を受けました。これが、物言わぬ語り部と言われる沖縄戦遺品を全国各地に展示する活動につながっています。

現在取り組んでいるのはいわゆる遺骨土砂問題。 辺野古基地建設のための埋め立て土砂は沖縄県南部のものですが、一方、戦没者遺骨収集推進法に基づく現地の遺骨収集作業は終わっておらず、遺族の心が無視されています。
西尾さんは、コロナ下で行動が制限される中でも、新聞社に投稿し、市会議員に働きかけました。この成果として、茨木市など多くの議会で、「沖縄戦の戦没者の遺骨などが混入した土砂を埋め立てに使用しないこと」を求める意見書が採択されています。
最後に、西尾さんは沖縄の構造的な問題に対して何ができるのか、考え行動し続けたいと話を終えました。

毎日新聞社の高尾さんは、先ず沖縄の遺骨土砂問題を記事にするようになったきっかけを、次に記事への読者の反響が新聞社にも届き、沖縄報道の枠が大きくなっていったことなどを話されました。



<西尾 慧吾(にしお けいご)プロフィール>
1998年生まれ。米イェール大学在籍。哲学・人類学専。
2017年4月より沖縄戦遺骨収容国吉勇応援会・学生共同代表として、関西を中心 に毎年10ヵ所程度沖縄戦遺品の展示会を開催する傍ら、国吉勇氏から遺品に関する聞き取りを進め、地上戦の「動かぬ証拠」としての遺 品の活用・継承に取り組んできた。現在は「ヤマトにおける沖縄戦平和学習」の研究と実践に励む。

<高尾 具成(たかお ともなり)プロフィール>
1991年入社。大阪社会部を経て2008年~12年、南アフリカ・ヨハネスブルク特派員(アフリカ大陸担当)。帰国後、三陸支局(岩手)などに勤務。19年から大阪編集局編集委員。20年から専門記者に。
2008年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。著書に「特派員ルポ サンダルで歩いたアフリカ大陸」(岩波書店)、「黄色いハンカチは揺れている 3・11三陸ノート/五年の伝言」(ビレッジプレス)など。



夏休みユニセフ子ども教室

「外国コインの仕分け」&「なんでやねんすごろく」

日 時 2021年8月7日(土)
会 場 コープこうべ生活文化センター
参加者 小中学生 9人、高校生以上 9人
主 催 兵庫県ユニセフ協会


兵庫県ユニセフ協会は、だれもが楽しく参加できる夏休みユニセフ子ども教室を開催。インターンの学生が進行役となって、外国コインを通貨別に仕分けする体験と「こどものけんり なんでやねん!すごろく」で遊びながら子どもの権利について学ぶ時間を持ちました。

色々なデザインのコインに子どもたちは興味津々。日本では使えない通貨も、それぞれの国では立派な通貨です。皆さまからお預かりした外国コインは、日本ユニセフ協会で通貨別に袋に詰められ、その通貨が使われている国に空輸され、そこで換金され、ニューヨークのユニセフ本部に送金されます。

「子どものけんり なんでやね!すごろく」は、子ども権利条約関西ネットワークが制作したもので、もっと子どもの声を聴きたい、自分に権利があることを知ってほしいという思いが込められています。 キーワードは「なんでやねん!」。 毎日の暮らしの中にある「なんでやねん!」「これってどうなの?」と思うことを互いに出し合い、共感しあううちに、「なんでやねん!」があふれ出してきました。すると「しかたない」というあきらめや「当たり前」と思っていたことが「しかたなくない!」「当たり前じゃなかった!」という発見につながり、子どもという存在をポジティブに捉えようという気持ちがわいてきました。



2021国際理解講座①

取材映像から知る紛争地の子どもたち  ~ アフガニスタン、イラク、シリア、日本 ~

日 時 2021年7月10日(土)
会 場 コープこうべ生活文化センター 2 階 ホール、オンライン(Zoom)
講 師 玉本英子さん(アジアプレス)
参加者 96人
主 催 兵庫県ユニセフ協会
※(公財)兵庫県国際交流協会民間国際交流事業から助成を受けて行いました。


玉本さんは、最初に「子どもの権利条約」に触れた後、取材映像を交えながら、子どもたちが置かれている現状、戦争への思いなどを話されました。

アフガニスタンでは、反政府武装勢力タリバンが女性教育の禁止など厳格なイスラム教に則って国土の大半を支配。テロ・襲撃等が多発しており治安が悪い。カブールでは10人の女性を取材、13歳から14歳で結婚し、戦争で夫が亡くなると子供が既にいるので養うために売春を仕事にしている。

イラクでは、2003年アメリカを中心とした多国籍軍によるイラク戦争でフセイン政権が倒れ、後にシーア派とスンニ派のイスラム教宗派の抗争が始まった。取材時には一分以上は立ち止まらないように注意されるほど治安が悪く、多くの国内避難民が生まれた。
2007年駐留軍の多くが撤退し、イスラム教原理主義のISが勢力を拡大。お金のある人は逃れたが、お金のない人が残り、ISに巻き込まれた。少数民族のヤズディの人々は襲撃され、女性や子どもたちは戦利品として奴隷にされた。 ISに巻き込まれた子どもは、イスラム教に改宗、ジハードの考えを教えられ、戦闘員になった。ISはその後衰退したが、子どもたちの心の傷が大きい。

シリアでは、10年以上にわたり内戦状態が続いている。孤児の施設を訪問した時「あなたに夢はあるか」と尋ねると、「ずっと戦争しか知らない、脅えないで暮らしたい」と言っていた。

日本でも76年前まで戦争がありました。沖縄では、14~17歳の学徒少年兵が戦場へ送り出され命を落とした。

最後に、玉本さんは、「ISの人達も普通の人達だった。戦争は人を変えてしまう。お金のない人がその場から逃げ出せず巻き込まれた。ISに入った理由は、米軍に家族をやられた憎しみや、お金のため、生きていくためだった。 戦争は話し合いでは解決できない、そんな簡単なものではない。戦争は始まってしまえば止めることはできないので、兆しを見つけることが大切。 未来を担う子どもたちにとって教育が大事、文字が読め、知識が持てる、自分の考えを持てる。これが一番大事。」と結ばれました。

講座終了後も、若い人たちと玉本さんのトークが続きました。



ユニセフパネル展

~ コロナと闘う世界の子どもたち ~

日 時 2021年6月1日(火)~7月10日(土)
会 場 コープこうべ生活文化センター 1階展示室
協 力 大阪ユニセフ協会


兵庫県ユニセフ協会は、「コロナと闘う世界の子どもたち」をテーマとしたパネル展を開催しました。


新型コロナウイルス感染症の拡大により、途上国の子どもたちを取り巻く環境は急速に悪化しました。
パンデミックは、ロックダウン、移動制限、予防接種や基本的な医療などの重要なサービスの中断、休校、経済的な影響、そして食料不安など生活のあらゆる面に影響を及ぼしています。 学校閉鎖により、学力の低下だけでなく、学校給食がないことでの栄養状態の悪化、虐待や児童労働などのリスクも増加しました。
ユニセフは、この緊急事態で滞っていた保健・栄養・教育など、子どもたちが今最も必要としている基礎社会サービスを再開させようとしています。
そして、子どもたちの弾ける笑顔が戻るように、心理社会的支援をはじめ、若者自身お互いに助け合い、支え合うことができるようなシステムの構築を図っています。

また、この世界的危機の中、人々の命を守るために、ワクチンの共同購入の国際的枠組み「COVAX(コバックス)」が作られました。 コバックスには、約190の国と地域が参加し、2021年末までに20億回分の新型コロナウイルス感染症ワクチンを共同購入し、公平に届けることを目指しています。 ユニセフはワクチンの調達・供給・輸送などで主導的な役割を担っています。



2021ユニセフセミナー

私たちの街を考える

日 時 2021年6月5日(土)
会 場 西宮市大学交流センター
講 師 小川雅由さん(こども環境活動支援協会(LEAF)理事)
参加者 26人
主 催 兵庫県ユニセフ協会


LEAF(こども環境活動支援協会)は、「子どもたちの未来のために今できること」をコンセプトに、次の時代を生きる子どもたちのための「持続可能な地域づくり」を多様な角度から支援するNPO法人です。
その活動は日本に留まらず、JICAの草の根事業として、人口増加とともにゴミ問題が深刻化している、ソロモン諸島の首都ホニアラ市で、持続可能な地域づくりにための環境学習推進プロジェクトを実施しています。

ソロモン諸島は小さな島で、多くのものを海外から輸入し、またゴミ処理のレベルが40年前の日本並みで、ゴミの量は増える一方、衛生面からも環境改善が急務でした。


そこで、New3R(リデュース、リユース、リサイクル+リターン)を基に分別収集システムを作り、質の良いペットボトルやアルミは先進国へ引き取ってもらい(リターン)、生ゴミは土に返すようにしました。

その中で、多くの市民は台所ゴミなど有機系ゴミが土壌分解するといった自然循環の仕組みを知らないという現状が浮かび上がってきました。
ホニアラ市の持続可能な発展に向け、長期的な視点に立った市民の意識改革と共に、次代を担う子どもたちへの環境教育学習プログラムを作ることになり、2019年10月31日、ホニアラ市は「環境学習都市宣言」を行いました。

日本でも、「LEAFが西宮市で行っている都市型里山の整備、資源の循環・活用」はソロモンでの活動と繋がっています。
一方、途上国とは真逆で、企業や行政が機能し、整備された制度のおかげで、例えば私たちはゴミを分別して出すことで終わりです。うまく回っているように見えるため、かえって問題意識の低下が懸念されます。
SDGsでは、自分たちの課題をどう見つけ解決していくのかが問われており、持続可能な地域づくりのためには、私たちの自身の意識改革を進める必要があります。







早川千晶さんオンラインお話会

今、いのち つないでいこう

日 時 2021年5月29日(土)
ゲスト 早川千晶さん(キベラスラムのマゴソスクール主宰)
参加者 74人
主 催 兵庫県ユニセフ協会


「お話会」は、初めての方、若い方にもアフリカに出会って欲しいという早川さんの言葉から始まりました。

早川さんは、「自分の目で見て知って理解したい」と始めた世界の旅で、想像もしないような人と出会い、そこに住む人たちの言葉が分からないと本当のことは分からないと思いました。
さらに、それぞれの国には歴史があり、公平に多方面から歴史を紐解いていかないと理解はできないと思いました。 アフリカには、違う文化を持った2000以上の民族が暮らしています。植民地時代に背負わされた苦難もあります。
そんな中、早川さんが最も好きになった国はケニア。その首都ナイロビはアフリカ有数の世界都市ですが、隣接するキベラは、貧しい人や難民認定されない人など住む所のない人が集まり暮らす、政府から何の支援も得られない違法の居住地域です。


早川さんがキベラで主宰するマゴソスクールは、「はらんべー」というケニアの人々の助け合いによって建てられました。ここに来たら希望がある、ご飯があると人々が集まり、学校の中に住んでいます。
今回のコロナでは、学校給食を拡大し食料をセットにして人々に配っていますが、食料をもらった人たちは自分で独り占めにしないで近所で分け合っています。そこには分かち合いの心があります。助け合いによって生き抜いていくシステムが出来上がっています。

一方、キベラは違法の居住地域ですから、突然、政府がブルドーザーで建物を撤去に来ることもあります。それでも、大都市ナイロビに隣接し低賃金労働の仕事にありつけるので、生きるために200万の人々が集まっています。
スラムの9割はまじめな人ですが、麻薬の売人、偽札、銃もある日常です。 ここにはここの暮らしがあります。人々が生活をするには仕事が必要であり、子どもたちが学校に行くことができたら未来を変えることができます。

お話会終了後も、若い人たちと早川さんのトークが続きました。







ユニセフセミナー

面会報告 ~入管と人権~

日 時 2021年4月24日(土)
会 場 コープこうべ生活文化センター 2 階 ホール、オンライン(Zoom)
ゲスト 村瀬 史憲さん(名古屋テレビ放送)
    林 佳昕(りん かしん)さん(中国人 留学生)
    高須 優子さん(支援者 「フレンズ」)
    ※当初、西山誠子さん(支援者 「フレンズ」)にお話しいただく予定でしたが、都合により急遽変更になりました。
参加者 50人
主 催 兵庫県ユニセフ協会

第一部 上映「 面会報告 ~入管と人権~」(名古屋テレビ提供)
第二部 ゲストによるトーク


第一部では名古屋テレビ制作のドキュメンタリー『面会報告~入管と人権~』が上映されました。
「何かしてあげようというつもりで面会に行くと続かない。彼らの望んでいるものを届けるお手伝いをしているだけ」と語る西山誠子さんは、これまで10年間、名古屋入国在留管理局(名古屋入管)に収容されている非正規滞在外国人と面会を続け、その都度、記録(面会報告)をつけてきました。面会した人の数は500人を超えます。
このドキュメンタリーは「面会報告」を基につくられ、入管の収容期間に期限が定められていない事、仮放免中は就職もできない事など、日本の入管行政の実態と課題を伝えていました。

第二部は、収容、仮放免、強制送還などの用語の説明の後、村瀬さんの進行で始まりました。
名古屋テレビ放送プロデューサーの村瀬さんからは、番組が作られた経緯をお話しいただきました。


ドキュメンタリーの中で登場した林佳昕(りんかしん)さんは5歳で来日。大学進学も決まった矢先に一家は中国へ強制送還されることになりました。支援者の活動でようやく再入国し、今は中国人留学生として学んでいます。日常生活や進学にまつわることなど、これまでに体験した困難について、西山さんをはじめ支援者の皆さんへの感謝の言葉と共に語ってくれました。そこには、現実を冷静に受け止めながら、誠実に生きている林さんの姿がありました。
高須さんは、西山さんと共に林さん一家を支援してこられました。「同じ人間がちゃんとした人間として扱われなければならない」などの西山さんの言葉を伝えつつ、ご自身の思いも話されました。

今回のセミナーは、「入管制度」について勉強する初めての機会になりました。







第19回 ユニセフのつどい

ユニセフのつどいは、子どもたちの未来をともにつくる兵庫県ユニセフ協会のお祭り。コロナ禍にある今年は、3日間に分散して開催しました。

日 時 2021年3月6日(土)、3月7日(日)、3月13日(土)
会 場 コープこうべ生活文化センター 、 オンライン
主 催 兵庫県ユニセフ協会
協 賛 神戸YMCA、神戸YWCA
後 援 兵庫県教育委員会、神戸市教育委員会、(公財)兵庫県国際交流協会、JICA関西、兵庫県子ども会連合会、コープこうべ

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■日時 2021年3月6日(土)
■会場 コープこうべ生活文化センター ホール
■参加者 48人
■内容 ・ワークショップ「アネモネ戦争」  語り手:松田素子さん(編集者、作家)
    ・パフォーマンス(ビデオレター)  神戸市立なぎさ小学校合唱部

児童書を中心に40年間編集に携わってこられた松田さんは「絵本は絵が語るメディアです」とおっしゃいます。
つどいでは、絵本『アネモネ戦争』の作者であり美術家の上村亮太さんのアートブックが絵本として出版されるまでの秘話、絵本『アネモネ戦争』に込められた大切なメッセージについて話されました。
また、童謡「ぞうさん」などで親しまれる詩人まど・みちおさんの晩年の作品となった『まどさんからの手紙 子どもたちへ』をエピソードとともに紹介されました。

神戸市立なぎさ小学校合唱部の皆さんの合唱は、コロナ禍という事もあり、映像での出演となりました。

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■日時 2021年3月7日(日)
■会場 オンライン(Zoomを使用)
■参加者 48人
■内容 ・オンラインミーティング「活動紹介リレートーク&ワイワイ交流会」
     参加団体
     明石高専防災団(D-PRO135°)  https://sites.google.com/view/d-pro135/
     アジア女性自立プロジェクト(AWEP)   https://tcc117.jp/awep/
     オモニ会
     早川千晶さん   https://www.facebook.com/chiaki.hayakawa1
     ネパール虹の家   http://meigen.moo.jp/rainbow-house/
     ミャンマー関西  https://www.facebook.com/profile.php?id=100009434898875
     ルワンダの教育を考える会  http://www.rwanda-npo.org/

新型コロナウイルス感染症の流行が続きリアルに集えない今、国内外で支援活動を実践している皆さんとずっと繋がっていたいという思いから、オンラインでの交流会を開催しました。

活動紹介リレートークでは、6団体の方からリレー形式で活動を紹介していただきました。ミャンマー関西さんはメッセージで参加いただきました。
ワイワイ交流会では、Zoomの機能を使い、参加者を8グループに分け、15分ずつ3回のセッションを持ちました。参加団体の活動に関わる人やユニセフのつどいに来られた皆さんと多くの交流ができ、新しい出会いを通じて繋がっていきました。

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■日時 2021年3月13日(土)
■会場 コープこうべ生活文化センター ホール、オンライン(Zoomを使用)
■参加者 96人
■内容 ・オープニング 兵庫県ユニセフ協会 2020年活動報告&募金活動
    ・レクチャー
      「子どもたちを取り残さないように~ベトナム、東日本大震災でのユニセフ活動~」
      講師:安田直史さん(近畿大学社会連携推進センター教授)
          (演題のベトナムはミャンマーに変更されました)
    ・東日本大震災から10年「福島のいま」
      写真撮影・収集、キャプション:工藤史雄さん(浜通り医療生協組織部)
    ・パフォーマンス 「神戸朝鮮高級学校」舞踊部&吹奏楽部



ユニセフは主に開発途上国といわれる国や地域で活動していますが、10年前の東日本大震災では、半世紀ぶりに、日本国内でのユニセフ支援活動を行いました。当時ユニセフ職員としてベトナム事務所に勤務していた安田さんは急遽日本へ派遣されることになりました。

安田さんは、ユニセフの平時の支援活動と緊急支援活動でのプロセスの違いについてわかりやすく説明されました。ユニセフでは緊急時にはCore Commitmentsfor Children in Humanitarian Action(略:CCC)という大事な原則を掲げていて、自然災害であっても紛争でもあっても、そこにいる子どもたちのためにこれだけは保障しなければいけないという対応を定めています。
東日本大震災では、日本は公的支援が整っていますので、その支援が届くまでの緊急支援活動、取り残されがちなところをへの必要な緊急支援を行いました。その折の具体的な内容や復興を考える上での「子どもの参画」や「子どもにやさしいまちづくり」の重要性についても話されました。
ミャンマーを第二の故郷とおっしゃる安田さんは、歴史・複雑な国内情勢・日本との関係などを説明されたのち、コロナ禍の上に今年2月にクーデターが起きたミャンマーの子どもたちへの複合的影響を懸念されていました。



スマホ・ネットの基本は小学生から!?

日 時 2021 年2 月20日(土)
会 場 コープこうべ生活文化センター 2 階 ホール
講 師 竹内和雄さん(兵庫県立大学准教授)
参加者 45人
主 催 兵庫県ユニセフ協会

私たちは、遠隔医療など最新テクノロジーを活用した便利なスマホ・ネット社会に暮らす一方で、いろいろなトラブルも耳にします。

竹内さんは、多くのアンケート結果、事例をもとに、子どもを取り巻くネットトラブル、ネット依存などについて具体的に話してくださいました。
神戸市立渚中学校の生徒の皆さんは、スマホやネットの使い方、トラブルについてなどそれぞれの実情を話してくれました。

ネット接続時間が3時間以上の人は生活に乱れが生じやすく、3時間未満の人はネットに接続しない人よりイライラが少ないという調査結果もあり、使い方が重要だとわかりました。
WHOは、ネット依存を「ゲーム障害」の病名で依存症と認定しています。

コロナ禍での「新しい生活様式」と同時に、ネットの社会にも新しい情報モラルが求められています。
そのうえで、小学生のネット使用率は85%を超え、スマホを使用する子どもの低年齢化が進む今、家庭ではどのように子どもと向き合えばよいのかについて考えました。
ユニセフは、ネットの使い方を道路の渡り方に例えて、危ないからといって道路を渡るのをやめさられないように、インターネットもリスクがあるからといって使わせないのではなく、安全で責任ある使い方を教えるべきと言っています。

子どもにスマホが欲しいと言われたら、
① 子どもの話を聞く
② 子どものいないところで親の意見を合わせる
③ 親の考えを子どもに伝える
ことが大切。

親子の話し合いの中で、ルールを作り、そのルールは更新していかなければならない。
困った時に相談できる、親子で話し合うことができる関係を築いていることが大切と話されました。





2021ユニセフセミナー
知りたい、朝鮮学校のこと

日 時 2021 年 1 月 23 日(土)
会 場 コープこうべ生活文化センター 2 階 ホール
講 師 金錫孝(キムソッキョ)さん(兵庫朝鮮学園理事長)
参加者 60人
主 催 兵庫県ユニセフ協会

「皆さまは朝鮮学校のことをご存知ですか?」
このように語りかけた朝鮮高級学校3年の女生徒は、「朝鮮学校は、日本に住む在日コリアンが通う学校。神戸朝鮮高級学校は2年前に創立70周年を迎え約1万人が卒業した歴史ある学校です。 しかし、外国人学校の中でも唯一高校無償化から外されてもう11年が経ち、近年では県や市からの助成金が大幅に削減されましたが、これからも私たちは胸を張って堂々と異国の地でも民族の心を育みながら、 日本と朝鮮の架け橋になれるよう頑張っていきたいと思います 」と話しました。

金 錫孝さんは歴史的経緯や学校についてお話されました。
戦前、在日朝鮮人は同化政策により参政権が与えられていたが、民族教育の禁止、創氏改名を求められました。 戦後は、外国人の扱いになり、朝鮮学校の前身となる「国語講習所」を設立、GHQにより閉鎖されるなどの困難を乗り越えてきました。朝鮮学校は1955年各種学校となりました。
各種学校は自由度が高く、教科書の多くは日本のままですが朝鮮歴史を加え母国語によるイマージョン教育を行ない、朝鮮民族のアイデンティティーを養っています。有名大学への進学者も多く輩出しています。

法整備により過激なヘイトスピーチは収まってきたとはいえ、今もなお人権を無視した言動は続いており、子どもたちは心を痛めています。
また、朝鮮学校が高校授業料の実質無償化の対象外になっていることについて、国連で採択された条約に基づく「子どもの権利委員会」は、「ほかの外国人学校と同じように扱われるべきだ」として日本政府に見直しを勧告しています。


今回のセミナーは「人権と教育」に焦点を当てたものでした。セミナーに参加し、国連制裁を受けている北朝鮮、「高校授業料無償化制度の対象外は適法」という国内での判決なども頭をよぎりました。 民族のアイデンティティーや子どもたちの教育、人権について深く考えていくきっかけになりました。





オンライン開催
コロナの時代、どう生きる? ~心の声聞こえてますか~

日 時:2020年12月19日(土)
講 師:桑山紀彦さん(精神科医、心療内科医、NPO法人地球のステージ代表理事)
参加者:59人
※このセミナーは「ひょうごスタイル」推進事業です。

はじめに、桑山さんは、人間とウイルスは長い付き合いになるのでイメージをつかむことが大切と話されました。
宿主である人間の体を富士山に例えるとウイルスの大きさはダニ程度。ウイルスは宿主の中でしか増殖できないことから、宿主を殺してしまっては生きていけません。 通常、ウイルスは変異を繰り返す中で、「馴化」といって宿主に適応し、症状は次第に穏やかになっていき、やがて宿主に潜伏するなどの住み分けしながら共存するようになっていきます。
対抗策としてのワクチンはウイルスに打ち勝つための免疫力を高め、人間はストレスを下げることで免疫の働きをより活性化させることができます。

次にウイルスが心に及ぼす影響。
紛争の場合には国境を越えたら平和な地があるという安心感がありますが、コロナはそういうわけにはいきません。 いつ感染するかわからない恐怖が、あたかも感染しているように感じる心理感染を引き起こします。コロナは人間のもろいところをついています。

心理感染の予防策は、本音で話すことや好きなことをしてストレスを発散することです。
そして、子どもへの影響。コミュニティがふさがれ、触れ合いもぶつかり合いも制限され、子どもたちの本来の姿が失われています。学校に求められていることは、リスク管理をある程度したうえで、子どもを後押しすることです。

最後に、人類にはコロナウイルスという世界共通の課題ができました。ウイルスとの付き合いは勝ち負けではなく住み分けて共存すること。
残念ながら人類は折り合う事が苦手。パレスチナもイスラエルも既に存在するのだから共存する方法を考えてほしい。コロナウイルスが人間同士の共存に大きなヒントをくれていると話を締めくくられました。
その後、新型コロナの重圧感を吹き飛ばすために作くられた新曲「明日へのエール」が流れ、活発な質疑応答が行われました。





ユニセフ写真展
長谷部誠大使 ロヒンギャ難民キャンプ訪問 ~未来を切り拓くために~
言葉より多くを語るもの ~ロヒンギャ難民の子どもたちを癒す「心のケア」~

日 時:2020年12月1日(火)~11日(金)
会 場 :コープこうべ生活文化センター1階展示室
主 催:兵庫県ユニセフ協会

ユニセフ写真展 長谷部誠大使 ロヒンギャ難民キャンプ訪問 ~未来を切り拓くために~

2017年8月以降ミャンマーで武力衝突が激化し、少数民族ロヒンギャの人々は、道なき道を歩き、川を渡り、国境を越え、隣国バングラデッシュに押し寄せました。40万を超える子どもたちの命が感染症や極度の栄養不足によって危険にさらされました。
その最大の危機から2年、2019年6月、世界最大級といわれるバングラデッシュのロヒンギャ難民キャンプを訪問した長谷部大使は、写真を通して、将来に大きな不安を抱えながら生きる人々の姿を紹介しました。

言葉より多くを語るもの ~ロヒンギャ難民の子どもたちを癒す「心のケア」~

言葉より多くを語るもの ~ロヒンギャ難民の子どもたちを癒す「心のケア」~
ユニセフはパートナー団体と共にアートプログラムなどを通してロヒンギャ難民キャンプで暮らす子どもたちに「心のケア」を届けています。
兵士に銃で撃たれる人、燃やされる家々… 。家族や故郷を奪われ、心に深い傷を負った子どもたち。そんな難民の子どもたちの描く絵は、言葉より多くを物語っていました。


また、写真展開催中は、ユニセフの活動を映像で紹介し、新型コロナウイルス感染症拡大のために控えることになったユニセフ ハンド・イン・ハンドについてもお知らせし、募金箱を設置しました。







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